野蛮人の模型生活

高橋名人 vs 爆唸るMT55直流電動機 の世界

タシカニ

このようなB級世界へ、ようこそお越しくださいました。家族をあげて、感謝致します。今となっては趣味人として鉄道会社にも鉄道模型メーカーにもほとんどカネを落とすことのないゴミのような男です。それでも別に生きていける。「神の視点」を捨てた、おカネをかけない模型生活。ゴミ男がゴミを生み出す生き様をご笑覧ください。

『TVジョッキー』をもう一度観たい。強烈に観たい。あれはB級の神様のような番組だった。

僕が子どもの頃は、テレビに出ることを生業にしていない人たちがスタジオで何かをやるという番組が多かったように思う。電撃ネットワーク登場以前には、近所にいるアニキやオヤジのような人たちが日常的にスタジオで何かトンデモナイ物を口に入れたり、ゴックンしたりしていた。ギターを貰うためにざる蕎麦のようにミミズを喰うとか、あの昭和感が堪らなく懐かしい。何度も言うが、僕にとって「昭和」というのは、セピア色の東京オリンピックやボンネットバスではなくて、ミミズやゴキブリを喰う市井の人の姿が日曜の昼飯時に堂々と放送されていた空気なのである。だいたい『奇人・変人コーナー』というタイトルが許されることが凄い。そういうのはネット動画で観られるじゃないか、というのは違う。公共の電波にそれが堂々と乗せられていたという、そこが「極めて重要」なのだ。

僕の脳内広辞苑で「昭和」というワードを調べると「一億総電撃ネットワークだった時代」という回答しか出てこない。床屋に行くと南部虎弾がバリカンを握っていて、ダンナ小柳がトラックでグルグル回りながら物干し竿を売っているような世界だ。

ビックリ小僧を紹介する番組では、よく東海道本線の駅を暗唱する子どもというのが出ていたように思う。同一人物なのか『キミも東海道本線の駅を覚えてテレビに出よう』というトレンドがあって、それに触発された類似の人物なのかわからないのだけれど、複数回観た記憶がある。子役として仕込むとか、オリンピック出場を目指して特訓するより手っ取り早くテレビに出られるということで、当時のミーハーな母親が息子に東海道本線の駅名を叩き込んだ可能性もあったかもしれない。

モノマネ番組では鉄道モノが必ず出てきた。今でこそ、芸人かなんなのかわからない人たちがそれを芸としてやっているが、少し前の時代では「一般」の人たちがテレビでそれを披露していた。ちなみに僕は、芸人かなんなのかわからない人たちが、テレビに出ることを生業としていない人たちを「素人さん」と呼ぶのが大嫌いで、我が家では出演者がそれを口にする度にテレビに蹴りを入れることになっている。

モノマネは車掌ネタも多かったが、僕は走行音系が好きだった。彼らの口が奏でる、おそらくMT55だと思われるリアルサウンドは僕にとって「都会の音」そのものだった。僕の日常では、あんな音を立てて爆走する電車に接することはなかったからだ。少し前、とある鉄道雑誌で鹿児島機関区に勤務していた機関士OBの座談会の記事を読んだことがあったが、そこで「都会に行くとEF65とか大型で多様な電気機関車が走っていることを当然知っていたが、我々はひたすらED76一本で、そのマスコンを握るのが仕事だった」という感じの語りが入っていて、そこを読んだとき、僕は子どもの時に視聴者参加型の番組で東海道本線の駅名をスラスラ暗唱する小僧や通勤電車の爆走モーター音のモノマネを観ながら、どこか遠い世界のリアル鉄道芸を身近なものとして観ていたことを思い出して、胸がキュッとなった。

僕が小学校高学年になると、ファミコンというものが出てきた。クラスの男子の多くは、毎日ファミコンネタで盛り上がっていたが、僕はファミコンを持っていなかったので、そこに与することは無かった。不思議なのは僕はガンダムもファミコンも興味なかったのに、クラスで孤立した記憶が無いのだ。『北斗の拳』もまともに読んだこともないのに、友人が僕の家のテレビで『北斗の拳』を観て帰ることもよくあった。わが家のテレビで『北斗の拳』を観て盛り上がる友人たちの横で、僕はコロタン文庫を読んでいた。

僕だけが高橋名人の16連打の凄さがわからないまま小学校生活を送っていた。

小学校では『生活の記録』のようなタイトル(中学校では『生活の記録』だったと思うが、小学校のそれのタイトルは覚えていない)のノートを毎日提出することになっていた。毎日の生活を記載して報告し、担任がコメントを付けて返してくるヤツだ。

小学5年生の時の担任はN原先生というオヤジだった。ビックリ小僧番組で観た東海道本線の駅名をスラスラ暗唱する子どもに対抗するため、僕は東海道本線ではなくて、鹿児島本線と日豊本線で九州をぐるっと一周する駅名を覚えることをやっている、とか、都会の爆走通勤電車の走行音モノマネに触発されて市電のモーター音モノマネを習得するために頑張っていることを書き綴っていたら、ある日、N原先生に呼び出された。

怒られた。

N原先生は「貴重な時間をそんなことに費やすな。小学生らしく建設的で意義のあることに努力しろ」というような説教を垂れてきた。差別である。勉強はともかくとして、スポーツへの取り組みは奨励されるのに、なんで「九州一周駅名暗唱」や「路面電車モーター音モノマネ習得」は奨励どころか怒られるネタになるのか。

先のオリンピックでテレビが盛り上がる、というかゴリ押しの中、紙飛行機長距離飛ばし大会のようなもので優勝した小学生がほんの一瞬であるがローカルニュースで取り上げられていた。一瞬の小ネタローカルニュースである。しかし、僕はこの小学生に「よく頑張った!」と心から賞賛を送った。担任がN原先生だったらマジ怒られ案件だったであろう。

僕はカネが絡むか絡まないかで、スポーツネタ奨励で他が日陰者に回る空気が大嫌いである。紙飛行機長距離飛ばし大会も大々的にスポンサーがついて、世界標準として発展していけば、ここでの優勝小学生は一気に感動と涙アリのヒーローに仕立て上げられるに違いないのだ。感動の対象がカネの動きで変わってしまうことが大嫌いだ。

N原先生は堅物で、小学生目線で見てもツマラナイ先生だと思っていたが、この一件から、僕はこの先生が大嫌いになった。

はい。

今度はバスを組み込んだ何かを作ろうと思って「努力」しています。前回以上に、これはどうなるかわかりません。バスなんか作ったことが無いので、完成するかわからないのであります。着手して間もないのですが、すでに地雷を踏んでいるかもしれない。すでに「そうじゃない」ということになっているのかもしれない。気付いていないのは自分だけなのかもしれません。

でも良いのです。僕が愛するB級感はそこなのです。「ショーもネーナこれ」というヤツを連発してやりたい。

車体上部は傾斜が付いているので、軽く切り込みを入れて折ってみます。傾斜の加減は目検討です。やりすぎると三角バスになってしまうので、気を付けています。

切り抜いた窓の部分はまだ粗がありますので修正していこうと思いますが、そのままだと弱いので、瞬間接着剤で縁を固めております。

工作用紙を細く切り出して、それを雨樋として接着しております。図面も無く、手順も参考になるものが無いので不安しかない。これは本当に、工作を進めていったところでボツ案件になるかもしれません。

小学生の図工の時間を、さらに進めてみようと思います。N原先生、草葉の陰から僕を叱ってください。説教OK。「恥ずかしい物を晒すな」とでも言ってくるのでしょうか。

僕の工作はB級芸のようなものです。

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