野蛮人の模型生活

【ガン無視】単玉中坊 爆死の巻【最短撮影距離】

タシカニ

このようなB級世界へ、ようこそお越しくださいました。家族をあげて、感謝致します。今となっては趣味人として鉄道会社にも鉄道模型メーカーにもほとんどカネを落とすことのないゴミのような男です。それでも別に生きていける。「神の視点」を捨てた、おカネをかけない模型生活。ゴミ男がゴミを生み出す生き様をご笑覧ください。

小生、未だに沖縄という地に行ったことがないでゲス。理由は簡単。

沖縄には鉄道が無かったから。

だから、用事が発生しなかったのであります。今はモノレールが走ってますけどね。現実の鉄道世界に興味が薄くなっているので、これに乗るために沖縄にわざわざ行くとは思えない。嫁さんは沖縄に行きたがっている。僕も行ってもいいとは思ってますけど、何しに行くんだ?

シャングリラでしたっけ?ああいうのを旅程に組み込めば魅力が高まるのかな。

嫁さんの妹の旦那様が与論に住んでいるので、去年、与論には行きました。ギリ、鹿児島県。最近、沖縄出張の話がありましたが、無くなりました。どうやら沖縄には結界が張られていて、僕は入れないようになっているようです。沖縄に行かずに死ぬかもしれない。生まれ育ちが鹿児島だけど、今は鹿児島には住んでいないので、距離的にもさらに遠くなった。

逆方向の北海道は何回も行きました。行ったどころか、仕事の関係で住んだこともあります。8年弱。母子家庭で育って、母親も早くに他界したので、親とか鹿児島にいるわけでもないし、周囲の勧めもあって、北海道に本籍を移していたこともあります。鹿児島に居る親戚は、僕が北海道から帰ってくることなく、そこで生涯を終えるはずだと思っていたのでしょう。だったら、北海道に移したほうが何かと都合が良いと。何が都合がよくて便利なのか、よくわからないけど。だから、僕が語るエピソードには北海道ネタが多くなります。本籍、今はまた、変えております。人生、何があるかわからない。

そんな、何があるかわからない人生に潤いを与える趣味。「カタチから入る」ということがよくあります。これを否定するつもりはありません。僕がそうだから。始めるときにいきなりいい道具を持つというのはキワドイ選択ではあるのだけど、気分は高まる。また「道具」には所有する歓びという、自己満全開の感情が伴って、これが心地良いのですね。

これでやらかしたヤツがいた。

中学校の時の友人にA君というヤツがいました。A君は、僕が鉄道管理局長に感謝状をもらったネタをきっかけに近づいてきた男です。彼はヤンキーカブレなところがあって、普段はそっち寄りの奴らとつるんでいる。学校指定の通学カバンが変形していて、教科書は入っておらず、代わりにまな板のようなものが入っている、そういう文化の人種が一定数いる当時でしたが、彼はそっち寄りの文化で生活したいと考えている男子でした。でも、良くないことに、彼は鉄道にも興味があって、そういう話をしたいときは、僕に寄ってくる。なかなかエキセントリックな中学生男子でした。

彼と北海道鉄道旅行を画策しました。中学1年の夏休み前にその話が出て、決行は2年生の夏休み。まさに1年かけて、その企画を練り上げました。観光地なんかさらさら行く気ないのに、ガイドブックも買って、2人で眺めてましたね。

北海道ワイド周遊券をフルに使って、計22日間に及ぶ旅程が完成しました。北海道の全路線を乗り潰すというもの。

A君とは近隣に鉄道写真を撮りに行くこともしばしばでしたが、そんな彼が、旅行出発前に「せっかくの旅行だ。これを機に一眼レフを買うんだ」と言い出しました。親の許可が出たらしい。彼はものごっつい望遠レンズに強い憧れを抱いている男。もちろん、そんなものごっつい望遠レンズを買う予算はない。カメラ屋の中古コーナーでの買い物に付き合うことになりました。そこで彼はキャノンを選びました。機種は覚えていません。

問題は、そのボディに組み合わせるレンズ。当時、メーカーがボディに組み合わせて販売するのは50mmというのがスタンダードでした。当然、僕は標準レンズを勧めた。標準レンズと言っても、実際、日常使いで便利なのは35mmくらいだと僕は感じていたので、35mmか50mmだろ、と。レンズ1本しか買えないような予算だから、それしかないと強く勧めたんですが、彼はそれを無視しました。

彼がボディに組み合わせたのは、F値の暗い200mm。

これ1本を持って、彼は旅に出ました。漢というか、無謀。

ボックスシートで揺られながら、正面から僕の写真を撮ってくれようとするんだけど、「ピントが合わなくて、オマエが撮れん」とか言ってる。ピントが合わないとかそういうレベルの話じゃない。ボックスシートの対面からそんな長玉で写真撮られたこともないし、撮ってるヤツを見たこともない。とてもシュールな光景が、旅行中、何度もありました。北海道では線路際で列車の撮影をすることが何度もあったんですが、彼はよく、姿が見えないところから撮影していました。だって、離れないと撮れないんだから。これから乗る列車の駅撮りでも、ホームの先端まで走って行っている。人間三脚になって走り回る。そんなことばっかりやっていました。彼がそのレンズの力を素直に発揮したのは、函館駅から離れたところまで歩いて行って撮った、出入りする青函連絡船の撮影の時ぐらいだったと思います。

そんな漢なんですが、僕の忠告を一つだけ、守ってくれていました。嫌な予感しかなかったので「バカチョン、一応、予備で持って行ったほうがいいよ」という、遠回しなアドバイスをしていました。あくまで「キャノン、壊れたらもう写真、撮れないからさ」というふうに。

彼はお姉ちゃんから赤いトマトのようなボディのコンパクトカメラを借りて、それも持って来ていました。彼はプライドが高く、それを使いたがらない。一眼で勝負するのが漢だ、というのと、なにより、お姉ちゃんのカメラの風体がかわいらしすぎるのでカッコ悪いという理由。どうして普段使っているバカチョンを持って来なかったのかは、謎。

1年も待った旅行です。やっぱりそんなことも言っていられないので、彼は途中からそのカメラもチラホラ、使うようになった。僕の写真もそれで撮ってくれる。しかし、更なる不運が彼を襲う。

彼は、そのトマトのようなカメラを紛失。お姉ちゃんから借りたカメラです。帰ったらシバかれるし、なによりもそれは「もう、旅行中にまともな写真が撮れない」ことを意味しています。焦った彼は、ちょうどそのことに気づいた幌延駅の、近くにあった写真店で安い110カメラを買いました。それで撮影続行、事なきを得ました。しかし、安いと言ってもカメラです。中学生の所持金なんて知れています。「俺、帰るまで何食えばいいんだよ」と嘆き、その後の旅路では究極の節約に走りました。やさしい僕は、それに合わせました。それもいい思い出か。

カタチから入ろうとする僕。たまに、戒め的にこのことを思い出します。「そのチョイスは最適解なりか?」

ホームになる部分の縁をちょっと、作っておきます。どうせ、あとで雪に埋もれてしまうかもしれないので、適当。それらしいものでOK。

車体の汚し?を少し続けます。実はテクスチャーペイントを薄めて使うということをしたことがありません。やったことがないことに取り掛かるときは、素直になったほうが良い。A君のようになってはいけない。商品の説明書きには「アクリル溶剤X-20A」を使えとある。他の物でもいいんだろうけど、従います。X-20A、持っていたと思うので、しばらくガサゴソ。出てきました。

薄めたテクスチャーペイントを筆で塗り塗り。

ちょっとやりすぎた感がありますかね。良くない空気を感じたので、一旦、ここでやめておきます。一晩寝て、もう一度眺めてから、どうするか考えるとします。もう少しシズル感が欲しい気もします。

北海道旅行を共にしたA君。撮った写真は見せてもらっていません。あえて触れないのが友情であると、その時の僕は知っていました。

僕が撮った写真。なにが写っていたのか覚えていません。帰った後、たくさんのネガフィルムを同時プリントに出しました。しかし、その直後、ネガとプリントがまとめて入った袋を母親に間違って捨てられてしまいました。

僕が旅の思い出を手にしたのは、束の間でした。あの旅では、2人の中学生が爆死を遂げたということですね。

☟お帰りはこちらから!!

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